全域放出方式の二酸化炭素消火設備による死亡事故が相次いで発生したことを踏まえ、事故の再発防止のため、消防法施行令の一部が改正されます。
(令和4年9月14日 消防庁『消防法施行令の一部を改正する政令等の公布について』)
【施行期日】
令和5(2023)年4月1日
※既存の建物は令和6(2024)年3月31日までに閉止弁設置が必要
【法改正の対象になる消火設備】
二酸化炭素消火設備
17条物件の全域放出方式の不活性ガス消火設備(二酸化炭素を放出するもの)
※窒素、IG-55又はIG-541を放出する不活性ガス消火設備、危険物施設(10条物件)は法改正の対象外
【主な改正内容】
①閉止弁※の設置
※閉止弁とは、点検時の誤放射防止のため設置される弁。
防護区画外の容器ユニットの集合管や操作管に設置。
⇒本改正で設置が義務化(従来はあくまで所轄消防指導に基づく設置)
閉止弁の基準が新しくなります。
現行:性能評定品 → 新基準:認定品
②二酸化炭素の危険性等に係る標識の設置
二酸化炭素の貯蔵容器室及び防護区画の出入口等の見やすい箇所に、次の(1)(2)及びJIS A 8312(2021)を表示した標識を設ける必要があります。
(1)二酸化炭素が人体に危害を及ぼすおそれがあること
(2)消火剤が放出された場合は、原則として、放射された場所に立ち入ってはならないこと
※標識例
③点検時にとるべき措置を定めた図書の備付け
制御盤の付近に次の(1)~(4)を定めた図書を備えておく必要があります。
(1)機器構成図(機器の配置、構成がわかる資料)
(2)系統図
(3)防護区画及び貯蔵容器を貯蔵する場所の平面図
(4)閉止弁の開閉操作手順及び手動自動切替え装置の操作手順
詳しくは、総務省消防庁のHPをご覧ください。
誤放出事故を防ぐためには、防災設備を熟知したプロの存在が必要です。